50代から始める“お金の再設計”

― 収入・支出・貯蓄のバランスを整える方法 ―

2025.11.21 <00971>

. 50代は「第二のスタートライン」。だからこそ“再設計”が必要

50代になると、人生も働き方も大きく変わります。
同時に「お金との向き合い方」も変化する時期です。

  • 役職定年で収入が横ばい、または減少
  • 子どもの教育費があと数年で終わる
  • 親の介護が現実味を帯びてくる
  • 定年後の働き方を考え始める
  • 健康への不安が増える

現役時代は「稼いで・使って・貯める」を自然と続けてこられた方でも、
50代に入ると、ふとこんな不安がよぎります。

「このままの生活で、60代・70代まで安心して暮らせるのか?」
「貯蓄は足りる?老後に向けて何を準備すればいい?」

でも安心してください。
50代は決して「遅い」わけではありません。
むしろ、
**“お金の再設計にもっとも適した年代”**です。

なぜなら、
・収入のピークの終盤であり、
・子育て負担があと数年で落ち着き、
・老後の費用を試算しやすく、
・価値観が固まり、判断がぶれにくい、
という「人生とお金のバランスが整いやすい時期」だからです。

ここからは、50代からでも間に合う「お金の再設計」を、
収入・支出・貯蓄の3方向から丁寧に解説します。


2. ステップ1:収入を“老後基準”で見直す

50代で最も大きく変化するのが「収入の安定性」です。
現役時代の後半になると、

  • 昇給が止まる
  • 役職定年で下がる
  • 仕事の負荷に対する体力が落ちる
  • 転職や部署異動が増える

など、“収入の天井”が見えやすくなります。

だからこそ、50代の収入は
「今の年収」ではなく「60歳以降の収入」を基準に考えることが重要です。


📌 60歳以降の収入は、ざっくりこの4種類

  1. 再雇用収入
     一般的に現役時代の50~70%程度。
  2. 年金(繰上げ・繰下げ含む)
     65歳が標準だが、60・70歳まで変更可能。
  3. 資産収入(投資・不動産など)
  4. 小さな仕事(週2〜3日の副業・パート)
     精神的なハリにもなる。

📌 収入再設計のポイント

① 再雇用の条件を早めに確認する

再雇用後の働き方は会社によって大きく違います。
60歳になってから慌てるより、
50代前半で情報を取っておくほうが安心です。

② 年金の受け取り時期を決める

  • 60歳受給 → 金額は減るが早くもらえる
  • 65歳 → 標準
  • 70歳 → 最大42%増える

「どれが得か?」ではなく、
“いつまで働くか”とセットで考えるのが正しい方法。

③ 50代のうちに“複線化”を考える

  • 資格取得
  • 在宅ワーク
  • 週末の副業
  • 収入を生む趣味(農作物販売・ハンドメイド等)

収入が減ってから始めるより、
余力のある今のうちに経験しておくほうが圧倒的に有利です。


3. ステップ2:支出を「生活・老後・特別費」に分けて整える

50代の支出は、
・教育費
・住宅ローン
・保険料
・生活費

など、ピーク時に近い状態が続いている場合が多いです。
ここを“現役仕様のまま60代に突入”すると、家計に負担が残ります。

だからこそ、支出は
**「削る」ではなく、「分類して整える」**ことが大切です。


📌 支出は3つの箱にわける

内容ポイント
① 生活費食費・光熱費・日用品現状を把握して上限を決める
② 老後費医療・介護・保険・長期積立老後を守るお金を明確化
③ 特別費車検・旅行・家電・冠婚葬祭年間で積立し、赤字を防ぐ

✔ 支出調整でまず見直すべきもの

● 保険

50代は保険の見直し最適期です。

  • 付きすぎた死亡保障
  • 高額な医療保険
  • 古い貯蓄保険

を見直すことで、年間10~20万円軽くなるケースも。

● 車

  • 車を2台 → 1台へ
  • 新車 → 中古
  • 維持費の高い車 → 軽自動車

車は家計への影響が最大級です。

● 通信費

“そのまま放置”の人ほど高額。
格安SIMにするだけで月5,000円改善も珍しくありません。

● 教育費の最終チェック

あと数年で終わる場合、
そのあとの月5〜10万円が丸ごと老後資金になることを意識。


4. ステップ3:貯蓄と資産形成の「土台」をつくる

50代は“老後資金のラストスパート”。
でも、焦る必要はありません。

大切なのは、
「増やす」より「減らさない運用」へ切り替えること。


📌 50代の資産形成3パターン

パターン①:現金多め + 積立続行

  • 安定を重視
  • リスクは最小限
  • 将来の介護・医療費を現金でカバー

パターン②:つみたてNISAや投信で長期運用

  • まだ10~20年の運用期間がある
  • 老後資金の柱を育てる
  • リスクは「分散」で抑える

パターン③:退職金の運用方法を決める

  • 全額預金はもったいない
  • かといって“一括投資”もリスクが高い
  • FP推奨は分散 × 分割投資 × 時間分散

✔ お金を増やすよりも重要なのは「取り崩しルール」

老後資金は、
“どう減らすか”のルールが最強の防御力になります。

FPの鉄則

  • 年間取り崩し → “総資産の3〜4%以内”
  • 投資は“必要な時にだけ売る”
  • 現金 → 生活費2〜3年分確保

5. 50代から始めれば、老後は必ず整う

FPとして多くの50代・60代を見てきましたが、
老後が上手くいっている人には共通点があります。


✨共通点①:収入の見通しを早めにつけた

  • 再雇用の条件を確認
  • 年金受給時期を検討
  • 小さな副収入の準備

✨共通点②:支出の“型”を整えた

  • 車・保険・通信費の最適化
  • 特別費を積立で管理
  • 年間家計で見える化

✨共通点③:貯蓄の目的を明確にした

  • 医療・介護資金
  • 旅行・趣味
  • 生活防衛費
  • 投資の役割を整理

✨共通点④:やみくもに増やそうとしない

  • 堅実に、着実に
  • “守りながら増やす”思考

6. まとめ:50代は、人生とお金が“再設計できる最後の黄金期”

50代になって不安になるのは自然なこと。
でも、不安は“整えていない部分がある”サインです。

今日からできる3ステップはこれです👇
1️⃣ 60歳以降の収入の見通しをつける
2️⃣ 支出を「生活・老後・特別費」に分けて整える
3️⃣ 貯蓄と運用の目的を明確にする

これだけで、
老後の「安心度」は驚くほど変わります。

そして、50代はまだまだ
“未来を選び直せる年代”。
ここからの行動が、10年後・20年後の暮らしを確実に豊かにします。

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