2025.9.23 <00912>
はじめに:年金は「将来への安心チケット」
「年金って難しそう」「自分はいくらもらえるんだろう…」
そんな漠然とした不安を感じたことはありませんか?
特に40代・50代になると、老後のことが現実味を帯びてきます。
「老後資金2000万円問題」や「年金制度は破綻するのでは?」といったニュースを見るたびに、
「私たちの世代はちゃんと年金をもらえるの?」と不安が募る方も多いでしょう。
でも、年金は決して“複雑でよくわからないもの”ではありません。
基本をしっかり理解すれば、将来の安心を準備するための強力な味方になります。
今回は、年金の仕組みを分かりやすく解説し、
「年金が自分にとってどんな意味を持つのか」がスッキリわかるようにお伝えしていきます。
年金には2つの柱がある
まずは、年金制度の全体像をシンプルに理解しましょう。
日本の公的年金は、2階建ての仕組みになっています。
1階部分:国民年金(基礎年金)
すべての国民が加入する年金で、20歳~60歳までが対象です。
- 自営業、主婦(第3号被保険者)、会社員、すべての人が対象
- 2025年度の満額は月額約6万8,000円(年間約82万円)
つまり、どんな働き方をしていても、この国民年金は共通してもらえます。
ポイント!
専業主婦(夫)も第3号被保険者として、保険料を自分で払わなくても国民年金に加入している扱いになります。
2階部分:厚生年金
会社員や公務員が加入する年金で、国民年金に上乗せされます。
- 給与に応じて保険料が決まり、将来の年金額も増える
- 収入が高いほど受け取る年金額も多くなる仕組み
例えるなら、国民年金が**「みんなに配られる基本のお弁当」、
厚生年金は「働き方や収入に応じて追加されるおかず」**です。
年金は「保険」でもある
年金というと「老後にもらうもの」というイメージが強いですが、
実は年金には3つの役割があります。
① 老齢年金(老後の生活を支える)
いわゆる「老後にもらう年金」です。
65歳から受け取りが始まります(繰上げ・繰下げ受給も可能)。
② 障害年金(もしものときの生活保障)
病気やケガで働けなくなったときに、生活を支えてくれる年金です。
- 働けなくなった場合に、国民年金や厚生年金から給付
- 若い人でも対象になるため、実は非常に重要な制度
③ 遺族年金(残された家族を守る)
もし一家の大黒柱が亡くなった場合に、遺族に支給される年金です。
- 小さなお子さんがいる家庭では特に大切
- 生命保険と似ていますが、公的年金として保障される
つまり、年金は「保険」の機能も持つ制度なのです。
老後だけでなく、現役時代から私たちの暮らしを守る役割もあります。
年金は破綻しない?よくある誤解を解消
「年金制度はもう破綻するのでは?」
こんな声をよく耳にします。
しかし、これは大きな誤解です。
確かに、少子高齢化で年金財政は厳しくなっています。
ただし、国は**5年に一度「財政検証」**を行い、制度を見直しながら持続可能に運営しています。
- 支給開始年齢を柔軟にする
- 保険料率を調整する
- 働く世代を増やす政策を進める
こうした対策により、制度が「ゼロ」になることはありません。
将来もらえる年金額は減る可能性はありますが、
「全くもらえない」ということはないのです。
自分の年金額を知ることから始めよう
40代・50代の方にまずおすすめしたいのは、
**「自分が将来いくらもらえるか」**を知ることです。
ねんきん定期便をチェック
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」には、
現時点での加入実績と将来の見込み額が記載されています。
- 現在までの納付額
- 将来もらえる年金額の目安
- 未納・未加入期間があるかどうか
これを確認するだけで、漠然とした不安が少しずつ解消されていきます。
ねんきんネットでさらに詳しく!
ネット上で自分の年金情報を確認できる「ねんきんネット」を活用すると便利です。
- 将来の年金額をシミュレーションできる
- 年金記録の確認や履歴も簡単
- 紛失しやすい書類をペーパーレス管理できる
ねんきんネット登録ページ:
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
年金を増やす方法もある!
「思ったより年金額が少ない…」と感じたら、
40代・50代からでもできる工夫があります。
1. 任意加入
60歳以降も国民年金を納めることで、受給額を増やすことができます。
2. 付加年金
月400円の保険料を追加で納めるだけで、将来の年金が増える仕組み。
自営業やパート主婦におすすめです。
3. 繰下げ受給
年金を65歳からではなく70歳から受け取ると、
1か月繰り下げるごとに0.7%増額されます。
(5年間で最大42%増)
年金を「老後資金計画の軸」にする
老後資金は「年金+貯蓄+資産運用」で準備していくのが理想です。
特に年金は、**「一生涯もらえる安定収入」**という強みがあります。
- 年金:生活費の基盤
- 貯蓄:突発的な支出への備え
- 資産運用:将来に向けた資産形成
この3つをバランスよく組み合わせることで、
老後の暮らしがぐっと安心になります。
まとめ:今日から始められること
- ねんきん定期便をチェックする
- ねんきんネットで将来の年金額を確認する
- 不足分を貯蓄や運用で補うプランを考える
ポイントは「放置しないこと」。
年金は自分が納めた記録や働き方で金額が変わります。
40代・50代は、老後資金づくりのラストスパートに入る時期です。
次回予告
次回は、**「将来もらえる年金、ズバリいくら?簡単チェック方法」**をテーマに、
実際にシミュレーションをしながら具体的な金額を確認する方法をお伝えします。
年金は「知ること」から始まります。
未来の自分が安心して暮らせるよう、今から一緒に準備していきましょう。