2025.8.19 <00877>
1. なぜ「定期預金だけ」ではもったいないのか?
日本人は世界的に見ても「預金好き」と言われます。
家計金融資産の約半分以上が現預金に置かれており、特に40代以降の主婦世代では「まずは定期預金」という選択肢が根強くあります。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
定期預金の金利の現実
現在の定期預金金利は、メガバンクで 年0.002%程度。
100万円を1年間預けても、利息はわずか20円しかつきません。
一方で、物価は食品・日用品を中心にじわじわ上昇しています。
もし毎年2%物価が上がるとすると、現金を預金のままにしておくと実質的な資産価値は減っていくのです。
つまり、定期預金は「お金を守る」ことには向いていても、「お金を育てる」には向かないのです。
2. 「低リスクで資産を育てる」ための考え方
資産を増やすにはリスクを取る必要がありますが、「大きなリスクは避けたい」というのが多くの主婦の本音でしょう。
そこで重要なのは、リスクとリターンのバランスを取ることです。
低リスク運用の基本3原則
- 長期(時間を味方につける)
- 分散(投資対象を分けてリスクを抑える)
- 積立(毎月一定額をコツコツ続ける)
この3つを守ることで、大きく資産を失うリスクを減らしながら育てることができます。
3. 定期預金以外の低リスク資産運用の選択肢
① 個人向け国債(変動金利型)
- 国が元本を保証する、もっとも安全性の高い投資のひとつ
- 1万円から購入可能
- 金利は変動制で、最低金利0.05%が保証されている
- 中途解約も可能(一定の制限あり)
「定期預金に代わる安全資産」として人気があります。
② つみたてNISA(投資信託)
- 毎月数千円からスタート可能
- 金融庁が認めた「長期・分散・積立」に適した投資信託のみが対象
- 年間120万円までの投資が最長20年間非課税
投資と聞くと怖いイメージがありますが、つみたてNISAは少額から始められ、時間をかけることでリスクを抑えられる仕組みです。
③ iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 掛金が全額所得控除 → 節税効果が大きい
- 運用益も非課税
- 60歳まで引き出せないので確実に老後資金になる
「老後の医療費や介護費のための備え」としても役立ちます。
④ インデックスファンド
- 世界中の株式や債券に分散投資できる投資信託
- 手数料が安く、初心者でも安心
- 平均的に年3〜5%のリターンが期待できる
長期で積立すれば、複利の効果で資産を大きく育てることが可能です。
⑤ 高配当株(分散投資型)
- 配当金で定期的な収入を得られる
- 値動きはあるが、配当が精神的な支えになる
- 投資信託やETFで分散投資すればリスクを下げられる
4. 定期預金+運用で「攻守のバランス」を取る
「すべてを投資に回すのは不安」という方は、定期預金と資産運用を組み合わせるのがおすすめです。
資産配分の例(40代主婦)
- 定期預金(生活防衛資金):30%
- 個人向け国債:20%
- つみたてNISA(インデックスファンド):30%
- iDeCo(老後資金専用):20%
このように分散すれば、「急な出費には現金」「将来に備えて運用」というバランスが取れます。
5. シミュレーションで見る“低リスク運用の力”
仮に40歳から毎月3万円を年利3%で20年間積み立てた場合…
- 元本:720万円
- 運用益:約290万円
- 合計:約1,010万円
定期預金ではほとんど増えないお金が、低リスク運用でもこれだけの差になります。
6. 今日からできる一歩
- 銀行口座を整理し「生活防衛資金」と「運用資金」を分ける
- 個人向け国債をチェックしてみる
- つみたてNISAの口座開設をする
- iDeCoを利用できるか調べる
- 家計簿アプリで余剰資金を把握する
まずは 「定期預金+α」 から始めるのが安心です。
まとめ
- 定期預金は「守る」には最適だが「育てる」には不向き
- 低リスクで資産を育てるには「国債」「つみたてNISA」「iDeCo」「インデックス投資」がおすすめ
- 定期預金と運用を組み合わせてバランスを取ることが大切
- 少額でも長期・分散・積立で将来の安心につながる
「定期預金だけ」から卒業して、資産を“育てる仕組み”を今日からつくりましょう!