大学費用、奨学金に頼りすぎていませんか?

2025.10.28 <00947>

1. 「奨学金=助け」だけど、“未来の借金”でもある

大学進学を控えるご家庭でよく出る話題が「奨学金」。
確かに、教育費の負担を軽くしてくれるありがたい制度です。

でも、忘れてはいけないのは、奨学金は「借金」でもあるということ。
日本学生支援機構(JASSO)の調査では、大学卒業時に奨学金を利用した学生のうち、
およそ半数が「返済額に不安を感じている」と答えています。

親の立場から見ても、子どもが社会に出た瞬間から
数百万円の返済を背負うのは、決して軽いことではありません。
「借りる前に、どのくらいの影響があるか」を知っておくことが大切です。


2. 大学費用のリアル:いくらかかるの?

まずは現実的な数字を見てみましょう。

学校区分入学から卒業までの総額(平均)内訳
国公立大学約520万円入学金+授業料+生活費
私立文系約720万円同上
私立理系約900万円以上実験・設備費が高額
私立医歯系1,500万円〜特殊なケース

さらに、一人暮らしの場合は生活費が年間100万円前後かかります。
つまり、「地方からの進学=年間200万円超」の出費になることも。

この金額をすべて奨学金で賄うのは、
将来の返済負担が重くなりすぎるリスクがあります。


3. 奨学金に頼りすぎると、将来どうなる?

たとえば、

  • 日本学生支援機構の第一種(無利子)で月3万円を4年間借りた場合
     → 総額144万円。毎月1万円の返済を12年続けることになります。
  • 第二種(有利子)で月5万円を借りた場合
     → 総額240万円+利息。返済期間は15年に及ぶことも。

就職後、家賃や生活費に加えて奨学金返済があると、
「結婚・出産・マイホーム」のタイミングが遅れるケースも見られます。

つまり、奨学金は“未来のライフプラン”にも影響を与えるのです。


4. 親子でできる「奨学金に頼りすぎない」3つの工夫

✅① 「進学資金シミュレーション」を一緒にする

大学費用を“なんとなく”で考えず、具体的に試算してみましょう。
文系・理系、私立・国公立、下宿・自宅通い――。
この条件によって、必要額は数百万円単位で変わります。

キャッシュフロー表や進学費用表を作って、
「奨学金はいくらまで借りるなら返せるか」を“見える化”しておくのがおすすめです。


✅② 「貯める期間」を前倒しする

教育費は“時間”が味方になります。
高校生になってから慌てて貯めるより、
小学生・中学生のうちから月1万円でも教育費専用口座に積立しておくと、
進学時に大きな安心感があります。

「児童手当をそのまま貯める」だけでも、
中学卒業時に約200万円の教育資金が準備できます。


✅③ 「借りる前提」ではなく「使う目的」を話し合う

奨学金を借りる=悪いことではありません。
大切なのは、“なぜ借りるのか”を親子で話しておくこと。

たとえば、
「夢を叶えるために必要な学費」なら前向きな投資。
でも「なんとなくみんな借りているから」では、返済の意識が薄れてしまいます。

奨学金を借りること自体よりも、
“自分の将来をどう設計するか”を考える時間が、何よりの学びになります。


5. まとめ:借りない努力より、“返せる計画”を

奨学金を借りることは悪ではありません。
むしろ、未来の選択肢を広げる大切な制度です。

でも、「返せる範囲で借りる」ことが前提。
親ができるのは、“子どもに借金を残さない努力”ではなく、
“安心して返せる未来を描くサポート”です。

「借りる・貯める・使う」を計画的に考えられれば、
奨学金も家計の味方になります。

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