― 50代からできるお金と生活の整え方 ―
2025..11.23 <00973>
1. 「定年まであと10年」からが、人生の本当の勝負どころ
50代に入ると、身体の変化や仕事の環境変化が一気に現れ始めます。
- 糖質や脂質の代謝が落ちて太りやすくなる
- 血圧・血糖値が気になり始める
- 運動不足を自覚しながらも時間が取れない
- 管理職として責任が増え、ストレスが蓄積
- 親の介護や家族の心配事が増えてくる
そして何より、
「健康寿命」という言葉が現実的に迫ってくるのが50代です。
健康寿命とは、
“介護を必要とせず、自立して生活できる期間”
厚生労働省のデータを見ると、
男性の健康寿命は約72歳。
しかし平均寿命は81歳。
つまり、
「元気に暮らせる期間」と「生きる期間」には約9年の差があります。
この差の9年間を「どう過ごすか」は、
50代の行動で大きく変わります。
2. 健康寿命を延ばす鍵は「生活習慣だけ」ではない
多くの男性が誤解していますが、
健康寿命を決めるのは運動や食事だけではありません。
健康寿命を大きく左右する要素は、次の3つです。
✔① 身体の健康
食事、睡眠、運動、病気予防、体力維持。
これはもちろん大切です。
✔② 心の健康
ストレス、家庭との関係、孤独、役割の喪失。
50代は「心の転換期」とも呼ばれます。
✔③ お金の健康
・医療費や生活費の備え
・仕事の継続可能性
・投資や貯蓄のバランス
・働き方の選択肢
・老後のキャッシュフロー
実は、
この③を整えられていないと、①と②も崩れやすくなるのです。
たとえば:
・お金の不安がある → ストレス増加 → 食生活・睡眠が乱れる
・先が不安 → 運動する気力が出ない
・医療費が心配 → 自覚症状があっても病院に行かない
つまり、
「身体・心・お金」この3つを同時に整えること
が健康寿命を大きく伸ばします。
3. 50代からの“お金の整え方”は、次の10年を決める
ここでは、50代男性に最も効果がある
「お金の整え方」を紹介します。
💡① 60代のキャッシュフローを“ざっくり”見える化する
特に男性は、
「なんとかなる」「今の収入があるから大丈夫」
と思いがちです。
しかし60歳~65歳の“収入の空白期間”を甘く見ると危険。
✔ やるべきは、たった2つ
① 年金受け取り額を確認(ねんきん定期便)
・いつから
・いくら
・夫婦の合計
② 現在の貯蓄・投資・保険を一覧化
これだけで、先の不安の半分は消えます。
💡② 60歳〜70歳の“働き方戦略”を決める
50代男性にとって、
この10年の働き方は人生の分岐点です。
選択肢は3つ
- 今の会社で再雇用
- 業務委託・パラレルワークで柔らかく働く
- 完全リタイアして生活を整える
FPの視点では、
「完全リタイア」より「緩やかに働く」が最もおすすめ。
理由は:
- 社会とのつながりが保てる
- 運動量・生活リズムが保たれる
- 月5万円〜10万円の収入でも不安が激減
- 年金の繰り下げ受給という選択肢が生まれる
“生きがい”のための仕事が、
実は健康寿命を最も延ばします。
💡③ 保険・固定費の断捨離
50代こそ保険の見直しの最適タイミング。
✔ よくある“払いすぎ例”
- 60歳以降も高額の死亡保険
- 医療保険が重複
- 損害保険や特約の二重加入
- スマホ・ネット回線の無駄
- 車2台持ちのコスト
- 見直していないローン
これらは、年間で20万〜60万円の無駄になることも。
💡④ 投資は「攻め→守り」へ移行
50代男性の相談で一番多いのは
**「投資のリスク調整ができていない」**こと。
現役時代と同じ投資が老後に合うとは限りません。
✔ポイントは2つ
・投資は“60代以降に使うお金かどうか”で仕分け
・リスク資産は徐々に比率を調整
つみたてNISAは続けつつ、
“必要資金はいつでも取り崩せる形”にしておくのが理想です。
4. 身体の健康を守る「50代ルール」
50代の体調変化に合わせた、無理のない習慣が健康寿命を延ばします。
✔① 20分の「速歩」だけで体力は戻る
ジョギングより負担が少なく、
筋力・心肺機能が効率よく向上します。
✔② タンパク質不足は老化を早める
- 朝:卵+ヨーグルト
- 昼:鶏肉・魚
- 夜:豆腐・納豆
これだけでも筋力低下を防止。
✔③ 睡眠の質を上げると疲れが減る
- 寝る前のスマホを控える
- 寝室の明るさ・温度を調整
- 夜の飲酒を減らす
睡眠改善は、
「健康寿命を伸ばす最強の投資」です。
5. 心の健康を守るために、50代で必要なこと
男性は50代になると、
「孤独」と「ストレス」が一気に増えやすい。
✔① 会社の肩書きに頼りすぎない
仕事以外の居場所を“今のうちに作る”ことが鍵。
✔② 趣味・学びを復活させる
健康寿命を延ばす効果が科学的にも証明されています。
✔③ 家族との時間を意識的に確保する
特に、子どもが独立し夫婦だけの時間が増える時期。
関係性を整えることは、心の健康に直結します。
6. 「お金・身体・心」この3つがそろった時、健康寿命は最大化する
FPとして多くの50代〜60代を見てきた経験から、
健康寿命が長い人には共通点があります。
✨共通点① “お金の見通し”がある
キャッシュフローを把握している人は、
生活にゆとりがあり、心が安定。
✨共通点② 適度に働いている
週1〜2日でも、社会参加している人は元気。
✨共通点③ 趣味と仲間がいる
人生の満足度が圧倒的に高く、病気リスクも低い。
✨共通点④ 運動・食事・睡眠を整えている
派手な運動より“続く習慣”を持っている人が強い。
7. まとめ:50代からの10年が、70代以降の人生を決める
あなたの今の生活が、
70代・80代の健康と安心をつくります。
✔ 今日からできる3つの行動
1️⃣ 年金・貯蓄・生活費をざっくり把握
2️⃣ 仕事・働き方を整理し、無理のない選択肢を準備
3️⃣ 運動・食事・睡眠の“続く習慣”を作る
50代は、遅すぎるどころか「ちょうどいいタイミング」。
身体も心もお金も、整えれば必ず応えてくれます。
これからの人生を、
「健康で、自分らしく、生きがいを持って」楽しむために。
今日から一歩、始めましょう。