2025.8.15 <00873>
1. リフォームは「今」だけの快適さ?
「キッチンを最新に変えたい」
「お風呂を広くしたい」
「外壁の色を明るくしたい」
リフォームは暮らしを快適にしてくれます。
ですが、ここで一度立ち止まってほしいことがあります。
それは、10年後もその家と生活を維持できるかという視点です。
せっかく高額なリフォームをしても、
老後資金が足りなくなってしまえば、
結局家の維持も難しくなります。
2. 住まいのお金は「長期戦」
家は“買って終わり”ではなく、
・固定資産税
・修繕・メンテナンス費
・光熱費
・保険料
と、毎年必ずお金がかかります。
さらに、築年数とともに修繕の頻度も増えます。
リフォーム資金は、将来の生活資金や医療費と競合するお金です。
だからこそ、「未来設計」とセットで考えることが大切です。
3. 未来設計の3つの柱
- 住まいの維持費を見える化する
- ライフイベントと資金計画を合わせる
- 優先順位を決めて予算配分する
4. ステップ別・未来設計の流れ
ステップ1:今とこれからの住まいの状態を把握
・築年数
・修繕履歴(屋根・外壁・水回り)
・将来必要になりそうな修繕
例:築20年の家なら、10年以内に外壁塗装や屋根修理の可能性大。
ステップ2:住まいの維持費シミュレーション
・固定資産税:年10〜15万円(地域や建物による)
・修繕費:10年ごとに100〜300万円
・火災・地震保険:年2〜5万円
10年間の合計を出すと、「この家を維持するのに必要なお金」が見えてきます。
ステップ3:家計と照らし合わせる
・年間の生活費
・老後資金の準備状況
・教育費のピーク時期
この時点で、リフォームの予算枠が現実的に決まります。
ステップ4:リフォームとメンテナンスを分けて考える
・リフォーム:快適性やデザイン向上が目的(キッチン交換、バスルーム改装など)
・メンテナンス:安全性・耐久性維持が目的(屋根修理、配管交換など)
優先すべきは、メンテナンス > リフォームです。
ステップ5:資金調達方法を決める
・貯蓄
・リフォームローン(返済計画を事前に確認)
・退職金の一部(老後資金とのバランス必須)
5. 10年後も快適に暮らすためのポイント
① 動線を未来仕様に
年齢とともに、階段や段差、浴室の安全性が重要になります。
→ バリアフリー化や手すり設置は、将来の安心に直結します。
② 光熱費を減らす設備投資
断熱材や高効率給湯器、太陽光発電などは長期的にランニングコストを削減。
③ 収納と片付けで「小さい家」でも快適に
広さよりも使いやすさ。物が少ないと将来の掃除・管理もラクになります。
6. 実例:Dさん(52歳)のケース
・築18年の戸建て、夫婦+大学生の子ども
・老後資金は計画中
・キッチン・お風呂のリフォームを検討
見直し後のプラン
・先に屋根と外壁のメンテナンスを実施(安全性優先)
・キッチン・お風呂は部分改修で予算半分に
・浮いた200万円は老後資金運用に回す
結果、10年後も家は安全・快適で、老後資金も確保できた。
7. よくある失敗パターン
・見た目優先でメンテナンスを後回し
・ローンを組みすぎて老後資金が不足
・計画なしで部分リフォームを繰り返し、総額が膨らむ
8. 今日からできる小さな一歩
1.家の修繕履歴を整理
2.10年間の住まい維持費を計算
3.家計の将来予測(キャッシュフロー表)を作る
9. まとめ
・リフォームは「今」だけでなく「10年後」も見据えて計画
・安全性と耐久性を優先し、その上で快適性を追加
・老後資金とのバランスが未来設計のカギ
10. あなたの家計と住まい、同時に整えませんか?
私はこれまで、40代以降の女性の家計と住まい計画を同時に整理し、
「安心して暮らせる住まい」と「将来も困らない資金計画」を一緒に作ってきました。
未来を見据えた住まい計画は、今からでも間に合います。
一度、数字で見える化してみませんか?