2025.11.30　＜00980＞

毎日のように耳に入ってくる「値上げ」のニュース。
そしてスーパーに行けば、チラシに載っていたいつもの商品が、気づけば少しずつ値上がりしている…。

「また値上がりしてる…もうイヤになる」
「前と同じ量なのに、カゴの中身が少ない気がする」

そんな“値上げ疲れ”を感じる日は、きっとあなただけではありません。

でも、落ち込んだり、焦ったりする必要はありません。
むしろ こういう日こそ、家計をそっと立て直すチャンス になることがあります。

今日は、ファイナンシャルプランナーの視点から、
「値上げ疲れの日に、まず見直すとラクになる3つのポイント」
をお伝えします。

ムリに節約するのではなく、**“負担を減らして、安心を増やす”**ための考え方。
ひとつでも取り入れてもらえたらうれしいです。

◆ 1. “買い物のクセ”を3日だけ見直してみる

値上げが続くと、「もっと節約しなきゃ」と気持ちが焦りやすくなります。
でも、急に買い物方法を変えるのは続けにくいもの。

そこでおすすめなのが、
“3日間だけ”、自分の買い物のクセを観察すること。

たとえばこんな視点で見てみます。

● ①「つい買ってしまう定番品」は何？

・お菓子
・飲み物
・朝のパン類
・カット野菜
・調味料のストック

これらが悪いわけではありません。
ただ“自動的にカゴに入れているもの”は、気づかないうちに値上げの影響が大きい場所です。

● ② 代わりにできるものは？

・お菓子 → お気に入りを週1だけにする
・飲み物 → ペットボトル → 家でマイボトル
・カット野菜 → 下処理を週末にまとめて
・パン → 朝はごはん中心の週を作る

すべて変えなくてOK。
ひとつ変えるだけで、1か月で数千円の差になることも。

● ③「買い物の回数」を減らせないか？

実は、
回数が減る → 無駄買いが減る → 値上げによるストレスも減る
という連鎖が起こります。

・週3回 → 週2回
・週2回 → まとめ買い＋週1の補充だけ

これは効果が大きく、しかも続けやすい方法です。

◆ 2. “固定費のゆる改善”をひとつだけやってみる

値上げのストレスは、
「食費が上がったのに、家計全体の余裕がない…」
という気持ちからくることが多いです。

だからこそ、食費の節約だけでなく、
固定費の“ゆるい”見直しが、本当の安心につながります。

ポイントは、やりすぎないこと。
“ひとつだけ”変えること。

● 見直し候補（やさしい順）

1. スマホ代（格安プランへ変更）
2. サブスク（1つだけ解約してみる）
3. 保険の重複チェック（医療・がん・死亡保障の整理）
4. 電気・ガスのプラン
5. 通信費まわり（Wi-Fi、不要オプション）

この中からひとつだけ選んで、
「今月はこれだけ見直す」と決めるのがおすすめ。

● 固定費が1つ軽くなると…

おもしろいことに、食費の値上げも受け止めやすくなります。

例：
スマホ代 –2,000円/月になれば
→ 食費が +1,000円 になっても、家計はプラス。

つまり、
“値上げストレスに負けない家計”が作れるのです。

◆ 3. “食費のゆとり枠”をつくると、ストレスが激減する

値上げ疲れを感じる日には、
食費の予算をギリギリにしすぎないことが大事。

家計相談でもよくあるのですが、
「節約しなきゃ」と思うほど、逆に食費が膨らみやすい傾向があります。

理由はカンタンで、
“がんばるエネルギーが続かないから” なんです。

だからこそ、あえて最初から
“ゆとり枠”を作る のがポイントです。

● 食費のゆとり枠の作り方

たとえば…

・毎週 1,000～1,500円の“ゆとり枠”
・月に 5,000円の“自由に使えるお金”
・“夫婦の外食代”として毎月○円を事前に確保

こうした枠があると、
「今日は気持ちがしんどい…」という日に、気兼ねなく使えます。

すると、
罪悪感がゼロになる → 無駄買いも減る → 心が軽くなる
という流れが生まれます。

● ゆとり枠があるほうが節約が進む理由

・がんばりすぎない
・ストレス買いが減る
・必要以上に値上げに振り回されない
・冷静に比較ができる

実は、家計改善は
感情の安定 = 数字の安定
という関係があります。

「ゆとり枠」は、そのためのクッションになってくれるのです。

◆ さいごに：値上げの波にのまれない“家計の軸”をつくる

値上げ疲れを感じる日は、
無理に節約をするより、
家計の軸を整える絶好のタイミング です。

今日お伝えした3つをもう一度まとめます。

● 今日からできる3つの見直しポイント

① 買い物のクセを3日だけ観察する
– 自分でも気づかない“自動的な出費”に気づける

② 固定費をひとつだけゆるく改善する
– 食費以外の場所で余裕をつくるのが一番効果的

③ 食費に“ゆとり枠”をつくる
– 罪悪感ゼロ、ストレス激減、ムダ買いが減る

値上げに振り回される家計ではなく、
値上げがあってもブレない家計へ。

今日は、そんな第一歩にしてもらえたら嬉しいです。

【最後に：読んでくれた方へミニ行動ステップ】

今日やること（3分でOK）

1. 買い物で「つい買うもの」を3つ書き出す
2. 今月見直す固定費を“ひとつだけ”選ぶ
3. 食費の“ゆとり枠”を500円だけでも作ってみる

あなたの家計が、今日よりちょっとラクになりますように。