2025.8.14 <00872>
1. 「保険って、何が正解かわからない…」
「保険料が高い気がするけど、解約したら不安」
「営業担当に勧められるまま入ってきたけど、本当に必要なの?」
「子どもが独立したら見直すべきと聞くけど、どうすればいいの?」
これは私が40代以降の女性から受ける保険相談で、最も多い声です。
特に長年加入してきた保険は、「見直す=安心が減る」ように感じてしまい、判断が難しくなります。
2. 迷う原因は3つある
① 保険の目的があいまい
「何のために入っているのか」がはっきりしないまま契約を続けているケース。
例:貯蓄目的だったはずが、保障内容ばかり気にしている。
② ライフステージの変化を反映していない
結婚、出産、子どもの独立、住宅購入…
必要保障額は人生のタイミングで変わります。
見直しの機会を逃すと、過剰または不足の状態が長く続きます。
③ 「もったいない感情」と「不安感」のせめぎ合い
長く払い続けた保険を解約するのは損に感じる。
でも、保険を減らすと何かあったときに困るのでは…という不安も残る。
3. 必要と安心を両立する“保険見直し”の3原則
・目的を明確にする(死亡保障・医療保障・貯蓄性など)
・必要保障額を数字で出す(年齢・家族構成・資産額から計算)
・ライフステージに合う形にする(子育て期・独立後・老後で変化
4. ステップ別・保険見直しの進め方
ステップ1:現状を把握する
まずは、今加入している保険を一覧にします。
1.保険会社名
2.商品名
3.保険期間
4.月額保険料
5.保障内容(死亡保障額・入院給付日額など)
6.解約返戻金(ある場合)
ステップ2:必要保障額を計算する
必要保障額とは「万が一のとき、家族が生活を続けるために必要なお金」です。
例:
- 子どもが独立するまでの生活費
- 教育費(高校・大学進学費用)
- 住宅ローン残高(団信未加入の場合)
保険金+貯蓄+遺族年金の合計で必要額を満たせばOKです。
ステップ3:保障の過不足をチェック
*過剰:必要額を大きく上回っている → 保険料を圧縮
*不足:必要額を下回っている → 足りない分を追加(掛け捨て中心で)
ステップ4:優先順位をつけて整理
保険は大きく3つに分けられます。
保険の種類 | 目的 | 見直しのポイント |
---|---|---|
死亡保障 | 遺族の生活費・教育費確保 | 子どもの独立後は減額可能 |
医療保障 | 入院・手術・治療費 | 高額療養費制度や貯蓄で補える分はカット |
貯蓄型保険 | 老後資金・資産形成 | 他の運用手段との比較で効率を検討 |
ステップ5:制度・貯蓄とのバランスを見る
・公的保障(遺族年金・高額療養費制度など)でカバーできる部分を把握する
・貯蓄や投資が十分なら、民間保険は最小限にできる
5. 保険見直しのタイミングは?
- 子どもの誕生・進学・独立
- 住宅購入やローン完済
- 夫婦の定年・収入減少
- 保険料の更新時期(更新型の場合)
特に40代〜50代は、保障の必要額が下がるのに保険料は上がりやすい時期です。
このタイミングを逃すと、無駄な保険料を払い続ける可能性があります。
6. よくある“もったいない”勘違い
*「解約したら払った分が全部ムダになる」
→ 掛け捨て保険はそもそも保障を買う商品。無駄ではなく、役割を終えただけ。
*「貯蓄型は元本割れが嫌だから続ける」
→ 長期で低利回りなら、運用方法を変えたほうが資産は増える可能性も。
7. 実例:Bさん(48歳・2人の子ども)
*加入保険:終身保険500万円(貯蓄型)、定期保険3000万円、医療保険
*保険料合計:月4.8万円
見直し後
*定期保険を1000万円に減額(子どもの教育費残り分のみカバー)
*医療保険は入院日額5000円→3000円に縮小
*浮いた月2.5万円をiDeCoとつみたてNISAへ
→ 老後資金準備が加速、年間保険料は30万円節約
8. 見直し後に安心感を保つコツ
*保障を減らした分、貯蓄や投資の自動積立を増やす
*家計全体で「保険+貯蓄」の合計額を意識
*家族にも見直し内容を共有しておく
9. 今日からできる簡単ステップ
1.加入中の保険を紙1枚にまとめる
2.必要保障額を計算(FPやオンラインツール活用)
3.公的保障の内容を確認
4.見直し候補をリスト化し、保険料と保障額のバランスを比較
10. まとめ
*保険見直しは「減らすこと」が目的ではなく、「必要と安心を両立する形」に整えることが目的
*目的→必要額→過不足確認→優先順位→制度とのバランスの順で考えると迷いが減る
*浮いた保険料は必ず将来資金に回すこと
11. 自分だけの“安心設計”を作りませんか?
私はこれまで、40代以降の女性の保険を整理し、必要最小限で安心できる設計に整えるお手伝いをしてきました。
保険を減らしても「不安がなくなった」という方は多く、浮いたお金で老後資金や旅行資金を増やしています。