2025.8.3 <00861>
「老後に2,000万円も必要なんて、そんなのムリ…」
そんな不安を感じたことはありませんか?
2019年に金融庁が発表した報告書で話題になった
「老後資金2,000万円問題」。
一時期はテレビやネットでも大きく取り上げられ、
「年金だけじゃ足りない」「老後破産が増える」
などの不安をあおる言葉があふれました。
でも、実はこの「2,000万円」という数字、すべての人に当てはまるわけではないんです。
今回は、この話の本当の意味と、私たちが“今からできる対策”についてお伝えします。
◆ 2,000万円問題の出どころ
この数字は、総務省の家計調査をもとに、
夫65歳以上・妻60歳以上の無職世帯が毎月約5.5万円の赤字になる
という統計から算出されたもの。
月5.5万円 × 12ヶ月 × 約30年(老後の生活期間)
= 約2,000万円 という計算です。
つまり、「年金だけでは生活費がまかなえず、
毎月取り崩しが必要になる」という前提のもとで算出されています。
◆ でも実際は「人それぞれ」
この話で誤解されやすいのが、「誰でも2,000万円必要!」という部分。
でも、実際の生活費や収入、資産は人によって大きく異なります。
たとえば…
- 持ち家か賃貸か
- 車の維持費があるかどうか
- 医療費が多いか少ないか
- 年金の受給額がどのくらいか
- 子どもへの支援や住宅ローンの残りなど
こういった条件によって、老後に必要な金額は大きく変わります。
ある人にとっては1,000万円でも十分かもしれませんし、逆に3,000万円必要な人もいます。
◆ じゃあ、いくら準備すればいいの?
「必要な老後資金」は、あなたのライフスタイルによって変わります。
大切なのは“平均”を見ることではなく、“自分の場合”を知ること。
まずは、次の3つを整理してみましょう。
- 老後の収入(年金や企業年金など)
- 老後の支出(生活費、医療費、趣味など)
- 現在の貯蓄・資産・退職金の予定額
この収支のバランスをもとに「毎月どれくらい不足するか」を見える化することで、
「実際にあといくら準備が必要か」が具体的になります。
FP(ファイナンシャルプランナー)との面談では、
この「見える化」のサポートをすることが多く、
「思ったより少なくて安心しました!」という声も多いですよ。
◆ 老後資金は“今から”つくれる
「もう40代後半だから手遅れかも…」と心配になるかもしれませんが、今からでも十分間に合います。
たとえば、
- 収支の見直し(固定費のカットや保険の整理)
- つみたてNISAやiDeCoの活用
- 退職金の使い方の戦略
- 働き方の見直し(パート継続、在宅ワーク、副業など)
など、今だからこそできる対策がたくさんあります。
◆ お金の不安は「知らない」から生まれる
「老後資金が足りないかも」という不安の多くは、
「自分の数字を知らないこと」から生まれます。
不安な気持ちは、ちゃんと見える化してみると
「案外なんとかなる!」と変わることも多いのです。
2,000万円という数字に振り回されるのではなく、
「わたしの老後」に必要なお金を一緒に考えていきましょう。
◆ まとめ
- 老後2,000万円問題はすべての人に当てはまる話ではない
- 自分の収支を見える化すれば、本当に必要な額がわかる
- 今からできる対策で、将来の安心はつくれる
未来のために、いま一歩を踏み出してみませんか?
まずは、現状の家計や将来のライフプランを見直すところから始めてみましょう。