2025.9.14 <00903>
はじめに
「定年後、今の生活を続けられるのだろうか…」
50代に入ると、こんな不安を感じる方が急増します。
特に、これまで家計を支えてきたご主人が定年退職を迎えるタイミングは、人生の大きな節目。
今の生活費、住宅ローン、子どもの独立や親の介護など、考えることが一気に増えてしまいますよね。
実は、退職前の準備をしっかりしておくことで、定年後の生活に安心と余裕を持つことができます。
今回は、ファイナンシャルプランナーとして多くの家庭をサポートしてきた経験から、
**「退職前にやっておきたい3つの準備」**をお伝えします。
1.家計の現状を“見える化”する
退職後は、給与がなくなり、年金が収入の中心になります。
そのため、まずは**「今の家計がどんな状態なのか」**を把握することが第一歩です。
家計の見える化ポイント
- 1か月あたりの生活費を把握する
- 住宅ローンや車のローンなど残りの返済額を確認する
- 子どもの教育費や親の介護費など、今後必要なお金をリスト化する
例えば、現在の生活費が月30万円だったとしても、退職後は月25万円に抑えられるケースも多いです。
**「何にいくら使っているのか」**を知るだけで、無理のない節約ポイントが見えてきます。
ワンポイントアドバイス
家計簿が苦手な方は、1か月だけレシートを保管して振り返るだけでも効果的です。
2.退職金の使い道を決めておく
退職金は、多くの家庭にとってまとまったお金が入る大きなチャンス。
ですが、「ボーナスみたいな感覚で使ってしまった」という声もよく聞きます。
退職金は一度きりのお金です。
まずは**「優先順位」を明確にすること**が大切です。
退職金の優先順位例
- 住宅ローンなど負債の返済
- 老後資金としての貯蓄・運用
- 趣味や旅行など“楽しみ”に使う分
特に住宅ローンの残債がある場合は、繰り上げ返済を検討することで、
老後の生活費に余裕を持たせることができます。
ポイント
退職金の一部を投資に回す場合は、「すぐに使うお金」と「長期で育てるお金」を分けて考えることが安心です。
3.退職後の収入と支出をシミュレーションする
退職後の生活が成り立つかどうかを確認するためには、
キャッシュフロー表を作るのがおすすめです。
これは、今後の収入・支出・貯蓄額を年ごとにまとめた表で、
老後資金がどのくらい持つのかを「見える化」できます。
シミュレーションでチェックすること
- 年金受給額(ねんきん定期便で確認)
- 再雇用やパート収入の有無
- 介護や医療費など、将来増える可能性がある支出
例えば、65歳時点で貯蓄2,000万円があっても、
年間の支出が300万円なら、10年で3,000万円必要になります。
事前にシミュレーションをしておくことで、**「不足する額」**が明確になります。
キャッシュフロー表は自分でも作れますが、
ファイナンシャルプランナーに依頼することで、より現実的な数字を反映できます。
まとめ:退職後を安心して迎えるために
退職はゴールではなく、新しい人生のスタートです。
そのためには、退職前の準備が欠かせません。
今回ご紹介した3つの準備を振り返ると――
- 家計の現状を見える化する
- 退職金の使い道を決める
- 退職後の生活をシミュレーションする
たったこれだけでも、退職後の不安がぐっと軽くなります。
将来を数字で「見える化」しながら、安心して第二の人生を迎えましょう。