2025.8.24 <00882>
. 資産は「増やす」だけでなく「守る」ことが大切
投資や貯蓄をがんばっても、思わぬ出費や経済変動によって資産が減ってしまえば安心は得られません。
40代・50代は「教育費」「住宅ローン」「老後資金」と出費が重なる時期。さらに将来は「医療費」「介護費」も控えています。
だからこそ大切なのは、“お金を減らさない”ための資産の守り方を知っておくこと。
資産を守ることは、将来の自分や家族の安心を守ることにもつながります。
2. お金が減ってしまう“もしも”とは?
まずは、どんなリスクから資産を守る必要があるかを整理しましょう。
① 突発的な出費
- 医療費(入院・手術)
- 車や家の修理
- 子どもの進学費用
② 経済リスク
- インフレ(物価上昇による資産価値の目減り)
- 株価下落や景気後退
③ 老後のリスク
- 介護費用(平均460万円、長期化で1000万円超)
- 年金収入の不足
④ 詐欺・情報不足
- 高齢者を狙った投資詐欺
- 仕組みを理解せず加入した保険や金融商品
これらの「もしも」に備えておけば、資産を大きく減らさずに済みます。
3. 資産を守る基本の考え方
資産防衛のポイントは 「分ける・備える・増やしすぎない」 です。
- 分ける:資産を分散し、リスクを一か所に集中させない
- 備える:保険や生活防衛資金で突発的な出費に対応
- 増やしすぎない:高リスク商品に偏らず、守りを重視
4. お金を減らさないための具体的な方法
① 生活防衛資金を確保する
まずは基本中の基本。
生活費の6か月〜1年分を現金で確保しておくことです。
これがあれば、収入が減っても家計がすぐに破綻することはありません。
→ この資金は「普通預金」など、すぐ引き出せる場所に置きましょう。
② 資産を分散する(預金+国債+投資信託)
「定期預金だけ」「株式だけ」といった偏りはリスク。
- 現金・預金(流動性)
- 個人向け国債(安全性)
- インデックス投資信託(成長性)
この3つをバランスよく組み合わせるのが安心です。
③ 保険は「必要最低限」に整理
保険に入りすぎると、毎月の固定費が重くなり、資産を減らす原因に。
- 医療保険は最低限(高額療養費制度である程度カバーできる)
- 死亡保障は子どもの独立後に減らす
- 貯蓄型より掛け捨てでシンプルに
「守るための保険」が「お金を減らす原因」にならないようにしましょう。
④ インフレ対策を考える
インフレで物価が上がると、預金の価値は下がります。
そのため、資産の一部は 株式や投資信託 に回しておくのがおすすめです。
特に「インデックスファンド(全世界株・米国株)」は長期的にインフレに強い資産です。
⑤ 詐欺や不要な金融商品に注意
「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」など、うまい話は危険信号。
資産を守るためには「知らない商品には手を出さない」「必ず複数の情報源で確認する」ことが重要です。
5. 老後資産を減らさない取り崩し方
資産を守るうえで見落としがちなのが「取り崩しの方法」。
貯めた資産を老後に使うとき、無計画に取り崩すと資産が早く尽きてしまいます。
取り崩しの目安:4%ルール
世界的に有名なのが「4%ルール」。
- 資産を毎年4%ずつ取り崩せば、30年間資産が持つとされるルールです。
- 例:3000万円の資産 → 年120万円(月10万円)の取り崩し
このルールを参考にすれば、「使いすぎて資産が減る」リスクを防げます。
6. ケーススタディ:資産を守る家計の工夫
ケース1:50代夫婦、貯蓄2000万円
- 現金:500万円
- 国債:500万円
- 投資信託:800万円
- iDeCo:200万円
👉 突発的な出費は現金で対応、老後資金は投資信託+iDeCoで育てる。
ケース2:60代夫婦、退職金1500万円を受け取り
👉 すべて定期預金に入れるのではなく、
- 現金:500万円
- 投資信託(インデックス):500万円
- 個人年金保険:500万円
に分散して「守りながら増やす」運用を選択。
7. 今日からできる“資産を減らさない行動リスト”
- 生活防衛資金を6か月分確保する
- 資産を「現金・国債・投資信託」に分ける
- 保険を整理し、無駄な掛け金を削減する
- インフレ対策として少額でも投資信託を始める
- 退職後は「4%ルール」を意識して資産を取り崩す
まとめ
- 資産を守るには「分ける・備える・増やしすぎない」が基本
- 生活防衛資金・分散投資・必要最低限の保険でリスクに備える
- インフレ・詐欺・無計画な取り崩しは“資産減少”の大きな原因
- 今日からできる小さな工夫で、お金を減らさず安心した未来を手に入れられる
「資産を増やす」ことばかりに目を向けるのではなく、「減らさない仕組み」を整えることこそ、家計に本当の安心をもたらします。